
自律神経系の基礎を学んでいただいたので
今日からさっそく
それぞれの働きについて勉強していきましょう!
今回は自律神経系の中の
交感神経についてです。
交感神経、どこにあるの?
交感神経は
第1胸髄~第2腰髄(ないし第3腰髄)から出ています。
胸髄とは脊髄の胸椎の部分で
腰髄は腰椎の部分ですね。
ですので、交感神経系は
別名「胸腰系」とも呼ばれています。
そして脊髄から出た交感神経は
交感神経節と言う部分に達するのですが
この交感神経節は、鎖のように上下に連結しているんです。
この連結した鎖状のものを交感神経幹といいます。
交感神経幹は
脊柱の前外側にあり、さらに脊柱の左右に沿って存在します。
以前、若い生徒さんが
「自律神経って、気のような見えない存在なんですよね?」
なんて勘違いをしていましたが
ちゃんと存在してますからね(笑)
まぁ、随意的に調整できる神経ではないので
「気」のようなイメージでとらえていたのかもしれませんね(汗)
面白い発想です!
ちなみに、交感神経は
胸腰髄部のみから出ているのですが
頚髄や仙髄部をも補うように、全身くまなく分布しています。
頚部では
- 上顎神経節
- 中頸神経節
- 星状神経節
が、存在します。
影響を受ける臓器
さて
前回、お話をしたように
交感神経系・副交感神経系は遠心性神経です。
遠心性ということは
中枢から末梢へ向かう神経でしたね。
脳の命令を筋肉に伝える運動神経も遠心性です。
では
脊髄から出た交感神経は、どこへ向かうのでしょう?
交感神経の作用を受ける組織は
- 眼
- 唾液腺
- 心臓
- 気道、肺
- 肝臓
- 脾臓
- 副腎髄質
- 胃腸管
- 膵臓
- 腎臓
- 直腸
- 膀胱
- 生殖器
また
- 汗腺
- 血管
- 立毛筋
などが、交感神経の影響を受けます。
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交感神経の作用
自律神経は運動神経などとは違い
自分の意志で調整できないということは、みなさんもうご理解いただけてますよね?
では
自律神経はどのようなものから影響を受けるのか?
今回は交感神経系のお話なので
交感神経を例にとってみますと
交感神経はストレスや緊張などで、その働きが活発になります。
大勢の人前でスピーチをしなければいけないような場面。
「失敗は許されない」と思い込んでしまいますよね?
そのような緊張感が、交感神経の働きを活発にします。
その結果
手のひらがベチャベチャになったり、胸がドキドキしたり。
人によっては、胃がキリキリと痛みだしたり。
これは交感神経の働きが活発になることで
- 汗腺の分泌⇒手のひらがベチャベチャ
- 心拍数の増加⇒胸がドキドキ
- 胃の粘液分泌の抑制⇒胃がキリキリ
といった現象が起こるんです。
動物に見る交感神経の大切な働き
ストレスや緊張感と関係する交感神経ですが
決して体に悪影響を及ぼすばかりではないんです。
動物を例にとってみると
肉球を持つ哺乳類は
交感神経の働きで肉球に汗を出すことで
素早く動くための「滑り止め」の役割になっているそうです。
やるか、やられるかの緊張した危険な状態で
相手より素早く動くために分泌される汗。
また交感神経は
気管を拡張させる作用もあります。
スポーツや緊急事態では、筋肉を強く大きく動かす必要がありますよね?
筋肉を多く動かすためには、たくさんの酸素が必要になります。
そんな時に気管の内腔が広がっていれば
たくさん酸素を取り入れることができますからね!
このように、交感神経とはつまり
生命の危険から身を守るために、働きが活発になる神経でもあるのです。
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